星はなんでも知っていた
人と人の出会い、そこで紡がれる、人への想い。
青春の彷徨を描いた、ひとりの女性の物語。
生まれたときから両親は不仲。家族に背を向けて書く作業を続ける父、折檻する母、なじめない兄、家族との暮らしに心休まる時がなく15歳で社会に出る主人公、治子。看護助手をしながら定時制高校に通い、出会った人々と交流する中で、本を読む楽しみに目覚め、林芙美子の作品に出会い、励まされる。自分も書くことで心慰められる。さまざまな傷心から再生までの成長物語。