七十三年目に封印を解いた父の手紙
「敵機七機の空襲あり、我に損害なし」
若い母に届いた最終の便り。
(社)日本図書館協会選定図書
ひょんなことから発見されて73年目に娘さんによって封印を解かれた、父親が祖国で家族を守る母親に送った戦地からの手紙。今は会話も成り立たなくなった病床の母親がひっそりと誰にも明かさずにしまっていた宝物の手紙。戦火をかいくぐり最後まで家族を思い、新妻を恋しと書きつづられた命の手紙は読む人の魂を揺さぶる。その一言一言はそのまま巧まざる見事な「反戦記」でもある。