一九六七年のバタークリーム・クリスマスケーキ
記憶と五感は結びついている…。
これは、ある男のクリスマスのケーキをめぐる物語。
幼少期の「幸せだ」と感じた瞬間、その空間を彩る五感が強烈にその思い出にくっついて「セット」になって記憶されていることってある。普段は全く意識していなかったことがふとした拍子に「あれとこれ」はつながっていたんだってことがわかると、それまでどこか心の中に引っかかりがあったことがらについて腑に落ちたりする。これは、タクヤのクリスマスのケーキをめぐる物語。