心のページをめくる風
夏は過ぎていった。風がページをめくりはじめた。
風が残した静謐な98篇の詩集。
その町は少年ばかり住んでいる町であった 町の機能は完璧に働いていた 風が気になりだした少年はやがて町を出ていった──「少年の町」/海で見た出来事。夏は過ぎていった。誰にも語らず黙っていることができるだろうか? 風がページをめくりはじめた。──『風に乗った人』/『庭を荒らすカマキリ』『個人的に新記録』『スパイダースクロール』に続く第五詩集、風が残した静謐な98篇。