冷戦終結からウクライナ戦争へ
─ドイツ統一、ソ連崩壊の原点から考える─
東西ドイツ統一を目撃した筆者が
冷戦終結後の新たな国際秩序が生んだ危機的状況を分析。
30年余り前、北海道新聞の特派員としてウィーンに駐在した私はドイツ統一からユーゴ紛争を経てソ連崩壊にいたる歴史的な出来事を取材した。当初これらの事象を軸に欧州のその後の変化を記述するつもりだったが、ウクライナ戦争が勃発し、内容を大幅に変えざるを得なくなった。なぜなら冷戦終結後のNATO東方拡大がなければ、ウクライナ戦争は起きなかった可能性が高いと考えるからだ。