導かれる神秘
典雅な装飾を施された骨董時計。
これには時を越えた願いが込められていた。運命の物語。
運命に導かれ、置き時計を時計職人の工房へ戻すことになる、ひとりの青年の歩みを描く物語。西洋骨董店で出会った大きな置き時計は、女性と野薔薇咲く蔦の彫刻があしらわれた優雅なもの。給料袋を手にしていた青年は思い切って購入し、自室の和机の上に置く。ある夜、彼は真っ暗な空間に誘われる──時代と国を越え、繋がり合う願いと縁。不思議な温もりに満ちた小説。