彩られしヴェール
「五彩のヴェール」の題で知られるモームの
隠れた名作を待望の新訳で改めて世に問う。
人物よりも物語という点から私が書き始めた小説はこれが唯一のものかと思う。その人物について考えを巡らせると必然彼が何かの状況に置かれていて、何かをしていることを考えるようになる。今回の場合、人物たちは私が次第に発展させていった物語に当てはめるために選んだものだ。彼等は私が異なった環境においてかなり昔から知っていた人物たちから形成されたものだ。(「序」より抜粋)