白珀石の四重奏
百年の時を超え、一人の男の生涯を、
残された子孫と白い山が、今語る叙情の物語!
大正末期、石灰採石場で現場監督をしていた元兵衛は、採石の途中で洞窟を発見、中に入ってみると、白く輝く石に魅了された。しかし噂が噂を呼び、石の盗掘も行われたため、洞窟を封鎖することにする。いつかまた洞窟が日の目を見ることを願って──。白い山に身を置いた山師、その思いを受け継いだ娘孫、そして白く輝く鍾乳洞…。4つの「奏」が奏でる自然への畏敬を込めた物語。