台湾「霧社」の十字架像と隠れ念佛 愛宕山千日詣りの邂逅
霧社事件への考察と、昭和8年生まれの著者が
愛宕山での垣間見から回想する世界を描く。
台湾の山地に住む原住民はかつては首狩りで恐れられた人たちであった。日本統治の下、彼らの中の有力者の娘と日本人巡査を結婚させるなどの懐柔策がとられたが、1930年、彼らの不満が爆発し、多数の日本人が襲われ殺された(霧社事件)。本書は霧社事件以前、そして戦後の関係者にも取材し、台湾社会と日本人を丁寧に描く。もう一編は愛宕山での垣間見から回想する世界を描く。