ある旧名主家と明治時代
─改稿 どぶっ田の改良─
落幡村(現秦野市)の農業振興に努めた
ある名主の働きと明治という時代を描く。
江戸時代に村名主を務めた家の歴史を背負い、明治期の耕作地主でもあった岩田俊平は、悪田の改良・治水や農事改良奨励などで地元に尽くした。本書では、さらに優れた事績を残した地方の老農も紹介する。彼らの働きを知ることで、在地のリーダー(地域名望家)が農村社会で果たした役割が見える。また、彼をこの努力に向かわせた契機には、報徳の思想(安居院七流の)があった。