父が死んだ。
─沖縄「手(古武道・空手)」の隠れ武士、嘉数光雄の足跡を辿って─
激動の時代を逞しく生き抜いた父の生涯を、
沖縄の文化、風景などを背景に描く。
大正9年、嘉数家3兄弟待望の仏壇後継者として生まれた光雄。那覇の叔父に預けられていた小学生時に、「手」と運命的な出会いをする。叔父の急逝により学校を中退して村に戻る。結婚、子どもの誕生、そして出征。一方、妻ユキは戦火に巻き込まれていく。8人の子どもたちを大学まで進学させるために懸命に働いた両親。奇しくも二人が書き遺した回想ノートをもとに娘が描く家族の物語。