異国での敗戦
〜時は流れて〜
京城で敗戦を迎え帰国し見たのは、広島の惨禍だった──
戦争に翻弄された家族の記録。
敗戦の京城の家に置き去りの 雛人形は春のまぼろし(歌集『風紋』より)──異国の京城で敗戦を迎え、命からがら日本へ帰国し、辿り着いた先で見たものは広島の原爆の惨禍だった──。その後も家族で流浪し、何とか助け合って生き抜いてきた。「いかなる逆境に立っても、決して絶望するな」戦争を知らない息子、孫たちにその思いを伝えられたらと思い、綴った自伝である。