夕暮れに透明な恋をした。
人は愛ゆえに迷い、愛ゆえに迷わない──。
大きな大きな愛を描いた温かい物語。
ミコは民生委員のジーちゃんに引き取られた壱と、じゃれ合って過ごしていた。中学生になって、ジーちゃんが一人の子どもを連れてくる。細い手足と乳白色の陶器のような肌を持った凛だった。ミコと壱と凛の三人は仲良く一緒に遊んでいたが、夏山に登った日、うたた寝をしていたミコは、凛と壱がキスしているのを見てしまい……。人との関係性の多様化が謳われる現代の愛を描いた物語。