北の開拓村
〜父の物語
「紋別に帰りたい」と言った亡き父に捧げる、
開拓の歴史に埋もれた北の家族の物語。
「紋別に連れてってくれないか?」。一時帰宅して再び倒れて病院に戻った父は、帰りたい一心で身体に鞭打ってリハビリを続けた。その父が逝った。北海道の紋別の開拓村で育った父の子どもの頃の話を思い出すと、幼い頃、父から何度も聞かされた北の家族の物語が、オホーツクの開拓の歴史とともに、いま娘の目の前に蘇るのだった。亡き父に捧げる北の家族の備忘録。