【文庫NEO】若者たち
〜心の旅はひとりきり〜
時は1973年。学生運動を尻目にしながらも自分の殻を破れない
僕の物憂い日常を描く。文芸社文庫NEO小説大賞特別賞作品。
学生運動が盛んだった1973年、大学では講堂建設に反対する過激的集団「愛と平和」による活動が活発化していたが、僕はそれを尻目にアメリカン・シネマやフォークソングにのめりこんでいた。ある日、「愛と平和」のカリスマ的リーダーの呼びかけにより、講堂に立てこもった学生たちは、周囲を取り囲む警察と対峙する。僕はその様子を、ひそかに恋心を抱く同級生のサチコと見物する。学生運動の意味とは何だったのか。『いちご白書』の時代を、新たな感性が描き出す。第2回文芸社文庫NEO小説大賞特別賞受賞作品。