『色』
体を壊し、積み重ねた過去が崩れ、
途方に暮れていた時、
大切な人が泣いた。
木枯らしのような声を聞いた途端、
私の内側に、
あたたかな色がほのめいた。
その色を
深め、広げ、
言葉に込めてつづりたい。
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2015年にスタートした《∞DREAM ─ 100文字の夢》。回を重ねるごとに、多くの作品をご応募いただくコンクールに成長いたしました。毎年11月から翌年2月にかけて開催するこの賞の意義は、一年の大きな区切りであるお正月を挟むこの時期に、あらためてそれぞれの「夢」を考え、それを発信することで広がる無形の価値を多くの方々とともに創造・共有することにあります。タイトルに冠した「∞(=無限)」の記号は、そんな思いが込められているのです。誰かの夢や夢へと向かう熱い気持ちは、また別の誰かの夢を育む触媒となります。今年もまた、熱い思いをもって「あなたの100文字の夢」をお迎えしたいと思います。
たくさんのご応募
ありがとうございました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆入選者発表☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
『色』
体を壊し、積み重ねた過去が崩れ、
途方に暮れていた時、
大切な人が泣いた。
木枯らしのような声を聞いた途端、
私の内側に、
あたたかな色がほのめいた。
その色を
深め、広げ、
言葉に込めてつづりたい。
12作品
『もし叶うなら』
もし叶うなら
クリスマスローズが花をつけたこと
亀がまだ冬眠中なこと
娘たちが元気に仕事をしていること
そんなありふれた出来事を
あなたに伝えたいだけなのです
天の国に帰ったあなたに
『夢の涙』
東京五輪の入場行進をテレビで見ていた父の目にあふれる涙。
敗戦を体験した父が復興の夢を実感したのだろう。
私の夢は二回目の東京五輪を生で見ること。
感動の涙あふれるであろう。
父子の夢の涙が五輪をつなぐ。
『夢の原点』
病気に臥せていると、沢山の夢が浮かぶ。
「もっと歩きたい」
「もっと食べたい」
「願わくば、家族と旅行がしたい」
ゆっくり、深呼吸する。
「やっぱり、今日を生き切りたい」
夢の原点に還ってきた私は、一歩を踏む。
『へんな大学生に
なれるかな』
「ぼくのママはへんです」
小学生になった息子の最初の作文の一行目。
あれから六年、中学生になった息子と数学の勉強に励む。
「夢あるの」
と息子。
もちろんさ。
「六年後に君と大学生になる」
「マジへんだよ、ママは」
『生きるために
書きたい』
思わぬ病。家から出られない。
退職を促され、独り暗闇に落ちた。
「つらい」と書いた。どうつらいのかも。
なぜつらいのか。どうすればここから抜け出せるのか。
気づけば小説になっていた。
光だ。書きたい。生きたい。
『二人の世界』
十六歳年上の夫、今も現役で働いている。
私の病気を支え、夢を叶えてくれた大事な人。
入籍する時は歳の差から『介護婚』と揶揄されたけど、
私はいつか夫の介護をするのが夢。
それは誰にも邪魔されない二人の世界。
『愛を伝える人』
子を授からなかった私は、どこか自分に自信がもてず、小さくなって生きてきた。
年を重ね、多くの素敵な女性との出会いを通し、愛を伝え遺す方法は無限にあることを学んだ。
私も、愛を伝える人でありたいと思った。
『繋がっていく夢』
幼い頃からの夢だった保育士になって1年目。
失敗の繰り返しでため息をつく毎日。
「わたし先生になりたい。」
ある日ぽろっとこぼれた子どもの一言に涙が溢れた。
その夢を叶えるのが私の次の夢になりました。
『いつかまた。』
真っ白なナース服を着て髪をぴっしりお団子にしていた彼女。
あなたと同い年の姪っ子がいるの、とかわいがってくれた彼女。
元気になった私が次に彼女に会えるのは、
私が夢を叶えて彼女の後輩になったとき。
『曲の子どもたち』
私はいろんな音を聞いてきた。
電車が走る音
人々が歩く足音
時計の秒針が動く音
川の流れる音
ほかにもたくさん。数えきれないぐらい。
だけどこの音の子たちはまだ子ども。
だから私の夢は
音の子たちを大人にすること。
『足』
凍てつく寒さを感じつつ
意識して背筋を伸ばし歩く
雪解けの遊歩道に、足跡が
ついてくる
新芽が顔をだし、鮮やかな新緑の
ピンと立つ姿に
ひときわ感動を覚える
この楽しみを
生涯、自分の足で地面を踏ん張って
歩くのだ。
『母の母校』
小学生の頃、母は私に素敵な学校を勧めてくれました。それは母の母校でした。
お母さんと同じ学校に通えていること、私はとても誇りに思います。
私の夢は母のように、我が子を素敵な母校に通わせてあげることです。