海外協力隊から帰国後、社会問題に立ち向かう7人の実践ストーリー『JICA海外協力隊から社会起業家へ 共感で社会を変えるGLOCAL INNOVATORs』刊行

2024年09月01日 書籍紹介

少子化、高齢化、人口減少、過疎化、外国人材の受け入れ、ダイバーシティ、事業継承などなど日本の社会課題が山積するなか、日本は課題先進国から課題解決先進国になっていかなければならない。また、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す持続可能な開発目標(SDGs)が設定された。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本としても積極的に取り組んでいく必要がある。そのような時に、このような若者たちによる実践が増え、日本各地で活躍していくことが不可欠である。逆に言えば、このような若者が増えることで日本社会の変革や、SDGs達成に向けた取り組みは加速していく──

本書はJICA海外協力隊を経験した方々がその経験も生かしながら日本国内外の社会課題の解決や、SDGs(Sustainable Development Goals)への貢献に如何に取り組んでいるのかという実例を紹介することにより、地方創生や多文化共生社会へどのように取り組んでいけばよいかというヒントを提供することを目的としている。

◯ CONTENTS

CASE 1

ものづくりの力で、アフリカの人々が安全な水にアクセスできる社会
ウガンダからアフリカの水問題の解決へ「井戸の維持管理システムを開発・普及」
株式会社 Sunda Technology Global(現地法人 Sunda Technologies Uganda Ltd.)代表取締役 坪井 彩さん
JICA海外協力隊の派遣国:ウガンダ / 職種:コミュニティ開発
派遣期間:2018年1月〜2019年1月・福井県出身

CASE 2

低価格・高品質な3Dプリント義肢装具で、足を切断した人たちの貧困の連鎖を止める
アジアから下肢障害者の生活を支える「世界初の3Dプリント義足」
インスタリム株式会社 代表取締役CEO コ島 泰さん
JICA海外協力隊の派遣国:フィリピン / 職種:デザイン
派遣期間:2012年6月〜2014年12月・京都府出身

CASE 3

地域の力で創る、ひとりぼっちをつくらない地域・社会
大分県竹田市から始まるインクルーシブな社会「誰もが居心地よく過ごせる多世代・多機能交流拠点」
NPO法人 Teto Company 理事長 奥 結香さん
JICA海外協力隊の派遣国:マレーシア / 職種:障害児・者支援
派遣期間:2014年10月〜2016年10月・大分県出身

CASE 4

専門家の力で、存在を認め合い、手を取り合える多文化共生社会
東京都千代田区から誰もが暮らしやすい社会を目指す「外国人支援を行う全国からの相談に対応」
NPO法人国際活動市民中心(CINGA)コーディネーター 新居 みどりさん
JICA海外協力隊の派遣国:ルーマニア / 職種:青少年活動
派遣期間:1999年4月〜2001年4月・京都府出身

CASE 5

外国人との共生&共働で築き上げる、日本と海外との新しい社会
福井県から農業を通じた多文化共生「インドネシアの若者の未来を育て、日本の農業の未来の土台づくりを」
株式会社農園たや 代表 田谷 徹さん
JICA海外協力隊の派遣国:インドネシア / 職種:食用作物・稲作
派遣期間:1997年12月〜2000年12月・福井県出身

CASE 6

つながり支える力で、生まれ育った環境にかかわらず子どもが将来に希望を持てる社会
東京都足立区から“選択格差”の是正を目指す「生活困窮家庭へ向け食材配達をツールに居場所と情報を提供」
一般社団法人チョイふる 代表理事 栗野 泰成さん
JICA海外協力隊の派遣国:エチオピア / 職種:体育
派遣期間:2014年10月〜2016年9月・鹿児島県出身

CASE 7

若者が「農業・農村はかっこいい」と思い、地域の豊かさを感じられる社会
群馬県甘楽富岡地域から世界とつながる「農村研修・体験を通じて日本と世界の未来を育てる」
NPO法人自然塾寺子屋、株式会社自然塾寺子屋 代表 矢島亮一さん
JICA海外協力隊の派遣国:パナマ / 職種:村落開発普及員
派遣期間:1999年4月〜2001年4月・群馬県出身

◯ 編著者・橘 秀治(たちばな ひではる)プロフィール

独立行政法人国際協力機構(JICA)青年海外協力隊事務局長。
大学卒業後、金融機関勤務を経て、1997年に青年海外協力隊に参加。
市場調査の職種でインドネシアのスラウェシ州バル県の5つの村の総合開発に取り組む。
1999年国際協力事業団(現JICA)入構。
米国事務次長、総務部審議役、企画部イノベーション・SDGs推進室長などを経て、2022年12月より現職。

◯ その他執筆者

秋山真由美(あきやま まゆみ)
美術大学を卒業後、CM制作会社、映画雑誌編集部を経て、ライター・編集者として活動。
ビジネス、教育、アート関連の記事を中心に、取材に基づいた幅広いジャンルの執筆・編集を手掛けている。

池田純子(いけだ じゅんこ)
新しい“生き方”のヒントが見つかるインタビューサイト「いま&ひと」主宰。
ライター・編集者として、暮らしや生き方、子育て、ビジネス等にまつわる幅広い雑誌記事の執筆や書籍制作などに携わる。

大宮冬洋(おおみや とうよう)
フリーライター。愛知県蒲郡市在住。ビジネスから婚活まで、人との出会いを大切に、幅広いジャンルの記事を執筆。
著書に『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方』ほか。

干川美奈子(ほしかわ みなこ)
「クロスロード」誌の元編集長。JICA 海外協力隊編集職種技術専門委員。
これまでに編集者・ライターとして、児童、子育て、ビジネス、旅行など、幅広い雑誌・書籍制作に携わる。本書の編集協力も行う。

◯ 編集協力

一般社団法人協力隊を育てる会(クロスロード編集室)
民間の立場で広く国民に青年海外協力隊事業への理解を求め、協力隊事業に対する民間の支援の輪を広げていくことを目的として1976年に発足。47都道府県2市にてそれぞれ活動する、JICA海外協力隊の応援団。1978年より「クロスロード」の制作協力も行う(2024年6月現在)。

書籍紹介

  • JICA海外協力隊から社会起業家へ 共感で社会を変えるGLOCAL INNOVATORs

    橘秀治

    発売日:2024/09/15

    1600円+税

    ISBN:
    978-4-286-25733-4

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