それぞれの出版体験

Road to publishing

「成長していく娘たちに形ある何かを残したい」これが私の原点でした。

松波 季子さん

学生時代に母を亡くす経験をした松波さん。「母ともっと多くを語りたかった」と思っていたことから、娘を出産した時「この娘に形ある何かを残したい」と強く感じ、想いを書いて残そうと思い立った。
当時、色々なコンテストに応募するなど、書いて残すための挑戦を続けた。その中に文芸社のコンテストもあったのだという。しかし、日々家事に育児に忙しく、次第に書く余裕がなくなっていった。
再び筆を取ったきっかけは、文芸社の担当者に原稿を見せる約束をしたことだった。「自分にとって最後のチャンスかもしれない。プロに自分の作品を読んでもらって、形にならなかったら諦めよう」と、自身を追い込むために3週間ほどの期限を設け、必死に書いた。努力の甲斐あって、出版が決まった時には本当に嬉しかったという。
松波さんが文章を書く上でこだわっているのは、娘に読んでもらえるように易しい言葉を使うことと、誰にでも共感できる題材を選択することである。編集作業中、何度も自身の作品を読み返し、細かいことに気を使い過ぎて先に進めなくなったこともあった。しかし、時間を置いてまた読み返すことで、また新しい発想が浮かんできた。「書くって楽しいなと心から思えました。辛いこともあるけれど、長い時間をかけて一冊の本になった時は、夢の中にいるようでした」
周りの友人には驚かれることが多かった。実際に読んで手紙やメール、電話などを沢山もらい、サインを頼まれたりもした。「夫は真っ先に読んで感想をくれました。長年の私の夢が叶ったのだと感じることができました」
「たとえ文章が上手くなくても、こだわりや信念を持って書き続けることが大切だと思います。辛い時は離れてみるのも大事、初心を思い出してみてください」と熱く優しく語った松波さん。現在3冊出版しているが「書きたい気持ち」を忘れず、今後も挑戦を続けていくそうだ。

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