高尾に恋して
亡き妻との想い出詰まる高尾山。
ある日、高尾の小さな喫茶店で、小さな恋が芽生えた……。
11月に定年退職したばかりで、12月2日に妻を交通事故で失ってしまった片山修三郎。妻は、恒例の正月2日の高尾登山を楽しみにしていた。年が明けた2日、彼は、妻の弔いにと高尾山に登り、在りし日の妻を偲ぶのだった。下山して誘われるように入った小さな喫茶店には、若い頃の妻に似た従業員が……。心に傷を持つ男女の、仄かな恋と別れに至る心模様を描くヒューマンノベル。