その鳥は聖夜の前に
『世界の中心で、愛をさけぶ』から12年、
父との絆、病、そして別れを描いた愛の物語。
資料を集め、自分の人生を記録しようと最期の準備を進めていた父。葬儀のあと、遺された資料から私ができることは、父と家族の物語を紡ぐことだった──。戦中の朝鮮半島で生まれ、従軍、敗戦、そして結婚。趣味に生き、家族を困窮させた父だったが、そこには無骨な愛が隠されていた。大切な人との絆、逃れられない病、そして別れを正面から見つめた著者渾身のエッセイ。