藤原道長
権力を手にし、平安の世を謳歌した藤原道長に
自身の思想を投影し表現した随想的作品集。
「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」摂関家藤原氏の全盛時代を築き上げた摂政太政大臣藤原道長は、思わず頭書の和歌を朗唱した。口を突いて出てきた和歌であったから、創ろうとして創った短歌ではなかった。まさに、満月の心を詠じた歌であった。自身の思想を織り込んだオリジナリティ溢れる「道長」。精力的に著作を刊行し続ける著者が新たに挑む随想的作品。