冠葉和歌集
哲学、数学、人間の性……
二行分かち書き短歌によってますます深化する第八歌集。
「月光の/鈍き光線/身に受けて/白く輝く/龍之介の脳」「少しずつ/宇宙に時間/降り積もり/空間座標/移動したりぬ」(星座論)「涼やかな/雲の流れに/たゆたいて/もみずる楓/散りにけらしも」「数式の/型に自ら/整った/銀河物理の/真を求めて」芸術や歴史、文学、社会、数学、物理学、人間の性についてなど、日々思索を続ける著者が、二行分かち書きを中心に表現した歌集。