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Road to publishing
小中学校の道徳の特別授業に招かれ、いじめ防止のテーマで講演活動をしている栗岡さん。毎回授業で子どもたちに書いてもらった感想文が1000枚近くになった時「子どもたちのいじめに対するリアルな考えや将来の夢を通して、子どもたちの可能性やいじめの解決法を示したい」と、現場の声をまとめることを考えた。普段は忙しくしているため、学校が夏休みの1ヶ月間、1日平均2時間図書館に通い詰めて執筆にあてたという。
最初は出版方法もわからずにいたが、知人の紹介で文芸社の出版説明会に参加。担当者の本に対する熱意に惹かれ、原稿を託すことを決意した。
編集作業では、お母さんや学校の先生に読みやすいように、実際に授業を受けているような形式・表現を心掛けた。カバーデザインを決める際は、著書のテーマ「いじめ」のイメージではなく「希望を感じられる色にしたい」と特にこだわった。
出版後は多くの反響があった。一番読んでもらいたかったお母さんたちから「共感できてよかった」と感想をいただき、おかげで学校や市の図書館にも本を置いてもらえることになった。知り合いづてで文部科学省の役人の方に自身の考えを述べる機会も得た。
さらに、本の発売と同時期に起きたいじめ事件に奮起し「私の本にはいじめ解決の知恵がある」と、直接メディアに働きかけた。すると、テレビ・ラジオ等の取材依頼が増え、それによってセミナー依頼も以前より多くなった。「出版したことで、いじめの問題について語るチャンスが広がりました。今までとは注目のされ方が全く違いますし、本を通して知らない方々にも私の想いが届いていると思うと嬉しいです」
「何かを伝えたい気持ちがあるなら、ぜひ出版の扉を開いて、今までの人生にない出会いや感動を体験することをおすすめします」と語った栗岡さん。現在も真剣に「いじめ」と向き合い、活動を続けている。