それぞれの出版体験

Road to publishing

旅の思い出を、友人と一緒に楽しめて良かったです。

山ア 榮子さん

小さい頃から絵を描くのが好きだった山アさんは、友人と10日間のフランス団体ツアーに参加した際、バスの移動中にスケッチを描いていた。その様子を見ていた同じツアーの参加者に「後で絶対見せてくださいね」と言われ、1か月後に会う約束をしたことが、『私のフランス旅日記――ツアー旅行10日間のときめき』が生まれるきっかけとなった。

約束までの1ヶ月間、旅行中に書いていたメモや絵を「人に見せるものだから」と時系列で整理し、清書をしていった。思い出しながら夢中になって書き足すうちに、A4で約60枚の旅日記が完成したのだという。とても好評で、身内や友人からも欲しいと催促され、カラーコピーをして40部ほど配ることになった。
出版のきっかけは、出版に興味を持ち、新聞に載っていた文芸社へこの旅日記を持参したことから。担当者に人生のご褒美にと勧められ、出版を決意した。
編集作業は比較的スムーズに進んだ。ゲラに文章を書き足したり、自分で描いたイラストの配置にこだわった。
本を作る段階で一番喜びを感じたのは、自身のイラストを並べたデザインの表紙ができた時だったという。「素敵で、自分が描いたものという実感が湧きませんでした。編集担当の方に電話するくらい嬉しかったです」
出版後、周囲の友人からは「一緒に旅をしているよう」「海外に行ってみたくなった」などの感想をもらった。手書きの旅日記を読んでくれていた友人も「あれが本になったのね。すごい」と喜んでくれた。

「旅行をする度に、メモのようにスケッチや日記を書いてはいたけれど、ツアーで出会った方のおかげで初めてきちんとまとめることができました。出版をしたことで、旅の思い出を友人たちに伝えることができ、一緒に楽しむことができて良かったです」
旅行中のメモをまとめ、出版まで至った山アさん。友人に見せるために夢中で描き上げた達成感は、旅行から9年経った今も続いているそうだ。

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