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Road to publishing
『まず2週間! 長期休暇取得を可能にする仕事の段取り術』を出版した武者由布子さん。
日本ではせっかくの有給休暇を使いきれず、捨ててしまっている方が多い。「もったいないことになっていませんか?」そう感じた武者さんは、ご自身の経験をもとに“長期休暇を上手に取り、人生を豊かにする方法”を指南書としてまとめることに。そんな武者さんのご自身の出版体験について、コメントをお寄せいただきました。
数ヶ月前に作成した本の企画書が実際に書籍となり、自分に様々な効用をもたらすとは思いもよりませんでした。
平日のお休みに朝風呂に浸かっていたときでした。ゆったりと心地良い時間を過ごしながら、あんまり気持ちがいいので、ふと「この心地良さをみんなに伝えたい!」と思いました。けれども、用事があるわけでもないのに、平日に休みを取ることに抵抗を感じている人が、私の周りにはたくさんいたのです。
実際、日本の従業員の有給休暇取得率は、諸外国に比べて著しく低いです。どうすれば支給された有給休暇をきちんと取得して、自分の人生を豊かにできるのか。自分が仕事を休んでいる間も、担当業務が円滑に進んでいくためには何が必要なのか。それまで漠然としていた考えが、湯気の立つ風呂場の中で一つの流れになっていきました。慌ててお風呂を出て、A4サイズ1枚の企画書にまとめました。そうして仕上がった企画書。ダメもとで文芸社のキャンペーンに応募させていただきました。
その後お電話いただいた文芸社の方から言われたのは、企画書の内容を400字詰原稿80枚に書かないかというご提案。原稿を書いたことなどなかったので、80枚というのはちょっと想像もつきませんでした。ただ、自分の企画を本にするには、書くしかありません。もう後には引けない気分で「わかりました。よろしくお願いいたします」と言ったのを覚えています。実はこのお電話、仙台旅行に向かう中で受けたのですが、翌日の帰路の高速バスを朝一番に変更してとんぼ返りし、その午後から3日間で原稿を書き上げました。
書いた原稿には丁寧な講評がありました。そして文芸社での出版についての案内もいただきました。出版費用は発生しますが、自分の書いた本が全国の書店にちゃんと並べられること、担当の編集者の方がきっちりついて出版できること、そこに魅力を感じました。私は社会保険労務士を仕事としているので、これからその活動していく中で、「本」の存在が役に立つこともあるだろう思い出版を決意しました。
編集作業が進み、カバーのデザインをいただき、遂に私にとって初の書籍ができあがりました。世の中ペーパーレス化が進んでも、やはり自分の思いが「書籍」という形になることは、大きな資産を得ることに違いないと感じました。
お世話になった方や、友人、親戚などへ本をお送りしたところ、年賀状でしか交流のなかった方と久しぶりにお会いすることになったり、以前の職場の先輩から新たにお仕事をいただくことまでできました。また、日本経済新聞社の記者のひとりが拙書を目に留めてくださり、インタビューを受けるという機会にも恵まれました。
今回、自分で出版費用を捻出する「自費出版」という方法をとりましたが、本を出してみて最も強く感じたのは以下のことです。
大きなリターンを得るためには、リスクを考慮しつつも、何らかの「投資」が絶対に必要なのです。私にとって今回の出版は、まさに最高の知的投資になったのではないか――としみじみ思いました。
おかげさまで、来年2月には第2弾となる書籍を出版できることとなりました。これもまた1冊目の成果が招いたリターンであり、私にとっての新しいチャレンジでもあるのです!
ご自身の出版体験をこう語ってくださった武者さん。お送りいただいた写真は、高知県の仁淀川(日本随一の清流)でカヌーをされたときのもの。仕事とプライベート、ともに充実させているご様子が窺える一枚です。